国産メンマ研究プロジェクト
キャリア・クラフトが行う環境保全活動の一つが、高度経済成長によって問題視されている放置竹林の活用です。
もともと、国産タケノコの栽培や竹製品の開発などを目的に、1950年代頃から人工的に作られるようになった竹林。しかし、安い輸入タケノコの増加や、高齢化に伴う担い手不足などにより、管理が行き届かなくなりました。経済活動のために作られた環境が、産業構造の変化によって放置されてしまっているのです。
こうした放置竹林は、イノシシやシカなどによる農作物の被害を引き起こしたり、土砂災害を拡大させる原因にもなります。
そこで、放置された竹を上手く活用する術はないかと、様々な実験やトレーニングを重ねてきました。現在は竹を使った国産メンマ作りの体験、また、完成したメンマを調理して楽しむ試食会などを行っています。
環境保全活動を継続させていくには、循環型の仕組みを築くことが大切です。実際に現地へ赴き、現物を見て、現実を知ることで、地域社会課題への理解を深めることができます。
竹ドーム設営プロフジェクト inあきる野
2024年冬、ヴィンヤード多摩様の敷地に直径5.5mの「竹ドーム」を設営する体験教室を開催しました。
設営には約25本の孟宗竹を使用。竹林での孟宗竹の伐採から始まり、ドーム設営のための基礎工事の準備、竹の油抜き、竹割り、カビ除け塗料の塗布、竹のカットという工程で作業を進めます。ドームの骨格の一つ一つは、3.3mにカットした3本の竹をボルトで繋いだものです。これを合計15本、クロスさせて微調整を加えながら繋ぎ止めていきます。
天窓や通風用窓も取り付け、入口を加工して「竹ドーム」に仕上げました。
2024年冬の体験実績
1/7(日) 孟宗竹の伐採
1/19(金)~ 基礎工事開始
1/28(日)~2/18(日) 計5回の体験教室を開催
ゲル組み立て体験
モンゴルの遊牧民の住居・ゲルの組み立てを一緒に体験していただく活動です。
ゲルは木製の骨組みで壁と天井を支え、木の「たわみ」を利用して強度を保つ構造になっています。骨組みの状態は当日のコンディションによっても異なり、組み立ての際はまるで「生き物」のように材質の変化を楽しめるのが醍醐味です。
そのため、作業にマニュアルなどは使用しません。初対面同士のグループの中でアイデアを出し合い、役割分担をしながら協働作業をしていきます。
2021年 秋のゲル組み立て体験実績
9/19(日) 埼玉県毛呂山村 新しき村
9/20(月・祝) 千葉県千葉市 染谷ファーム
9/23(木) 埼玉県飯能市 Alive
9/25(土) 埼玉県毛呂市 新しき村
9/26(日) 埼玉県毛呂市 新しき村
10/3(土) 埼玉県毛呂市 新しき村
10/4(日) 埼玉県毛呂市 新しき村
古民家の再生
近年は空き家の増加が問題となっており、古民家をリフォームしたり、生まれ変わった家を街おこしに活用するといった事業が増えてきました。
その際、業者に依頼しても撤去に手間や費用がかかるとされているのが、老朽化したブロック塀です。
古いブロック塀には鉄筋がほとんど使われていません。そのため、巨大地震の際には簡単に倒壊し、避難や救助の道も塞いでしまいます。過去にも小学生の女の子が登校途中で地震に遭遇し、ブロック塀の下敷きになって亡くなるという痛ましい出来事がありました。
キャリア・クラフトでは、自治体の防災・減災に貢献する取り組みとして、こうしたブロック塀をハンマーで解体する作業を行っています。
体を使っての解体作業はストレス解消にもなり、女性の方でも無理なくご参加いただける活動です。
また、古い和室をフローリングの洋間にする床張りも体験できます。
一見難しそうに思えますが、使う道具は短時間で手順を覚えられるもので、力仕事もほとんどありません。そのため、こちらも参加者の6割は女性であり、大工仕事の経験がない方でも安心して行えます。
初対面の方との作業を通じて、様々な社会課題と向き合えるのと同時に、リノベーションのコストも抑えることができます。
各活動の様子は、
こちらから動画でご覧いただけます。